共通しているのは、家族の心理状態が住まいの状態によって、陰に陽に影響する点が描き出している。小津映画の代表作の1つ「東京物語」は、田舎で暮らす年老いた両親が、東京に住んでいる息子や娘を訪ねてくる話だ。息子と娘とその家族、戦死したもうひとりの息子の未亡人などが歓迎してくれるが、東京の狭い家の中でともに寝起きするなかで生じる家族の心象風景を、小津安二郎ならではの微妙なタッチで、ユーモアをまじえて描いている。息子たちがもっと成功していると思ったのに、その暮らしぶりはゴミゴミして落ち着かない雰囲気の借家住まい。もっと丁重にもてなしてくれると思ったのに、息子や娘たちの態度は無神経でこまやかさに欠ける。しかし老人たちは、そんな不満は少しも顔に出しない。それどころか、ゆったりとからだを伸ばしてくつろげる場所もない住居空間のなかで、なんとか息子や娘たち、その家族の邪魔にならないように遠慮している。ところが、都会で慌ただしく暮らす息子や娘たちには、そんな両親の気遣いはまったくわからない。ただ1人、戦死した息子の未亡人だけが、そのような老人の悲しみの心を理解していた、というストーリーだ。
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実家の両親は元気にしているかな?実家のある世田谷区の一戸建てに住むことに決まったから久しぶりに会いに行こう!